2010年8月
ものを大切にする心
 「もの」にも命があることを知る

●飽食の時代と言うけれど・・・
日本では飽食の時代と言われている現代、ものが豊かにあふれる社会で、今や食べることに困ることはまずなくなりました。外国で食べることもできずに餓死している子ども達の映像を見るたびに、今の日本のありがたさに感謝したい気持ちで一杯です。戦中戦後のもののない時代を思えば、今のような時代がくることを誰が想像したでしょうか?そして、ものを粗末にし、あまりにも簡単に捨て去るような時代がくるとは思っていなかったでしょうね。

●一つの命にたくさんの命が繋がっている
今、世の中は目まぐるしく変化しています。そしてそれと同様に価値観も変わってきました。子ども達のまわりには命を粗末にするような言語や映像がたくさんあふれています。
私達が今生きているのは、お父さん、お母さんのおかげです。その上には、おじいさん、おばあさんがいます。そして限りなくさかのぼっていくと、自分一人の命のために大勢の人の命があったことに気づくでしょう。
私達のまわりにあるものにも、そのような目を向けてください。
おもちゃ一つにしても、いくつかの行程を経てやっと形となって我々の前に出てきます。食べ物にしてもそうです。お米一粒でも、何日もかかり、やっと私達の口の中へ入ってきます。
自分の命、生きているものの命だけが命ではなく、まわりのもの全てに命があるのだと気づき、これからの子育てに役立ててくださればうれしく思います。
ものを大切にできる子は、いたわりの心、思いやりの心も育ってきます。また、自分のおもちゃや衣服なども大切にできるようになってくるでしょう。
大人の私達も今一度、ものの大切さを理解して、子ども達へ伝えていきたいと思います。

隨林寺保育園 園長 戸津川聖信

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